5分で研げる両刃の研ぎ方【中級編】
砥石の種類を理解して砥石を選ぼう!
砥石は3種類の砥石(荒砥石、中砥石、仕上砥石)を用意して頂きたいです。キッチリと研ぐにはこの3種類の砥石が必要になります。それでは詳しくは砥石の説明を致します。
砥石の種類と違い
砥石の荒さは#220番や#1000番といった番手(ばんて)という数字で表します。番手は砥石の粒子の細かさ粒度(りゅうど)になります。これは購入した砥石の箱などに記載されていますのでお持ちの砥石を一度ご確認ください。包丁の材質が、ハガネ系・ステンレス系は特に気にしないで下さい。材質よりも番手で選んでください。
粒度は小さいほど荒く、大きいほど細かくなっています。一般的には中砥石で日々の研ぎ直しに使用します。さらに切れ味をよくするために仕上砥石を使用します。天然砥石、ダイヤモンド砥石などは中・上級者用です。
種類 | 粒度 | 説明 |
---|---|---|
荒砥石 | #80~220程度 | 大きく欠けた刃先を修理するときに使います。 |
中砥石 | #400~1500程度 | 日々のメンテナンスに使います。 |
仕上砥石 | #3000以上 | 中砥石で研いだ後にさらに切れ味を良くする時に使います。 粒度が細かいので、刃付けが細かく出来、切れ味が増します。 鏡面仕上のような切っ先をピカピカにすることもできます。 |
天然砥石 | 仕上砥石では満足できなくて、もっと切れるようにしたいという方が使います。 値段も高く、天然砥石なので割れていることもあります。 ※天然の為、割れていても交換は出来ません。 |
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ダイヤモンド 砥石 |
材質がとても硬く平らな状態を保てます。 |
3種類の砥石が必要な理由
本当に3種類(荒砥石、中砥石、仕上砥石)の砥石が必要なの?というご質問をよくいただきます。なぜ3種類必要なのかを説明いたします。
まず、中砥石が絶対に必要なのは皆さんもお分かりだと思います。では、荒砥石と仕上砥石はどうでしょうか?
荒砥石は刃が欠けた時に使用します。もし1mmでも欠けると中砥石で研ぎ直しをするのは大変ですが、荒砥石だとそこまで時間がかかりません。
次に仕上砥石は和包丁の裏押しをする時に使用します。裏押しを中砥石ですると包丁の裏を研ぎすぎてしまいます。ですが、仕上砥石で裏押しをすると、研ぎすぎる事がなくかえりだけを取ることが出来ます。
以上の事から3種類の砥石を持っていると結果的に早く、キッチリと研ぎ直しが出来ます。
当社の職人は5~6種類の角砥石を使い分けています。包丁の種類はもちろん、裏押し専用の仕上砥石なんかも持っています。これは、裏押しは必ずまっ平の状態でないと包丁がおかしくなるので毎回面直しをしなくても済むように専用の砥石を用意しています。砥石は使い分ける事をお勧めしています。
※家庭用であれば中砥石の1種類でも良いかと思います。研ぎになれれば増やして行って下さい。
お勧めの砥石
砥石の色で粒度がある程度わかる
砥石の色を見るとある程度、その砥石の粒度を判別することが出来ます。
荒砥石:青や黒色(全体的に濃い色)
中砥石:レンガ色の茶色系
仕上砥石:白色や薄いベージュ色(全体的に薄い色です)
もし購入した時の箱を捨ててしまったなど粒度が分からなくなった場合はこちらを参考にして頂けると細かい粒度までは分かりませんが、大体間違いないかと思います。
砥石の硬さ
砥石には硬さがあります。硬さは番手が同じでも柔らかいタイプ、硬いタイプがあります。
柔らかいタイプの砥石は、包丁を研ぐと砥汁が良く出てきて、研ぎやすく刃も付きやすい砥石になります。当店がお勧めするのは柔らかいタイプです。このタイプは砥石の面も柔らかいので凹みやすいですが、包丁を研磨する力もあるので包丁も減りやすく研ぎやすい感覚で研げます。当社の職人はキングの標準砥石を使用しています。
硬いタイプの砥石は硬いため包丁が滑るように研ぐことが出来ます。硬いため、砥石の減りも少ないのが特徴です。滑るように研ぐので、少し研ぐのは難しいですが、キッチリと研ぐことが出来れば早く刃が付きやすいです。
私たちがお勧めするのは一般的な合わせ包丁には柔らかい砥石がお勧めです。本焼包丁など硬い包丁をお使いの方には硬いタイプの砥石をお勧めしています。
砥石のサイズ
砥石メーカーによっても異なりますが、砥石には3つのサイズがあります。
1丁掛け:205mm×50mm×25mm
2丁掛け:205mm×50mm×50mm
3丁掛け:205mm×75mm×50mm
料理人にお勧めしているサイズは2丁掛けです。魚屋さんなどしょっちゅう研がれる方は3丁掛けの砥石がお勧めです。
家庭用は1丁掛けよりも少し小さめになります。
それでは、次に「包丁研ぎの砥石準備」に進んでください!