土置きとは
焼入れの際の熱の入り具合を調整するための手法です。包丁では主に本焼き包丁でこの手法が用いられます。日本刀の製作の際も焼の調整のためにこの手法が用いられています。焼き入れの前に刀身全体に土を塗り、峰側にある土を厚くします。土の厚さを変化させることで、焼の入りに差が生じ、結果として一枚の鋼の中で柔らかい部分と硬い部分を表現することができます。そうした硬度の違いが本焼き包丁全体の靭性を向上させています。また、土の置き方を工夫することで製作者の意図した刃文を浮び上がらせることができます。
関連ワードを包丁用語集で調べる
- この記事を書いた人
- 四代目 實光俊行
實光刃物の四代目です。大学を卒業して25年以上包丁の製造をしています。私たちは常に作る事を愉しで包丁の技術を高め、新しいデザインも取り入れて製造しています。ご質問がありいましたらお問い合わせ下さい。