人気ワードYaiba万能片刃銀座包丁研ぎ修理砥石

Topics

最強の切れ味!SPG STRIX包丁の魅力と実力

最強の切れ味!SPG STRIX包丁の魅力と実力

包丁を選ぶ際、切れ味の良さは誰しもが重視するポイントです。今回は、一番切れる包丁をお探しの皆さんにぴったりの新鋼材【SPG STRIX】の包丁をご紹介します。

SPG STRIXとは 「エスピージーストリクス」と読み、最強の切れ味を誇るこの包丁は、サビにくく耐久性が抜群な上に、ハガネに負けない切れ味が特徴、2024年に新発売された實光刃物の新商品です。さらに、研ぎやすく扱いやすいことからプロの料理人から家庭のキッチンまで幅広く活躍します。

この記事では、SPG STRIX包丁の魅力と実力を詳しく解説し、実際の試し切りや研ぎ方についてもご紹介します。切れ味が良い包丁をお探しの方は必見です。この記事は動画の内容を解説したものになりますので、記事の最後に動画を載せています。記事と合わせてご覧ください。

【SPG STRIX】フレア全切(牛刀包丁)

實光刃物の新商品であるSPG STRIX包丁について詳しくご紹介します。この包丁は、商品名:「【フレア】 全切包丁」の210mmの万能包丁で、肉や野菜、何でも切れる包丁です。ハンドルにはカーボンファイバーを使った樹脂製で、オレンジのアクセントが入っています。包丁本体はSPG STRIXの心材を持つ合せ包丁で、両サイドはニッケルダマスカスです。

刀身 ハンドル 全体
【SPG STRIX】フレア刀身 【SPG STRIX】フレアハンドル 【SPG STRIX】フレア全切(牛刀包丁)

SPG STRIXの鋼材の特徴

新しい鋼材のSPG STRIXは、他の粉末ハイス鋼やステンレス製の鋼材と比較して、切れ味が非常に優れています。粉末ハイス鋼は特殊な製法で切れ味を良くした鋼材ですが、特にSPG STRIXは、炭化物をさらに細かくすることで、炭素鋼に匹敵する切れ味を発揮します。SPG STRIXの切れ味がどのように他の鋼材と比べて優れているのか、さらに詳しく見ていきましょう。

他の鋼材と比べた切れ味の良さ

新鋼材のSPG STRIXとは、武生特殊鋼材の新しい鋼材で、粉末ハイス鋼の一種です。粉末ハイス鋼には「SG2」「ZGP189」などがあります。粉末ハイスとは、粉末冶金法(ふんまつやきんほう)と呼ばれる特殊な製法により炭化物を微細で、均一にすることが可能になりました。それにより、さびにくい鋼材ながらも良い切れ味が生み出されています。

SPG STRIXとは、その粉末ハイス鋼の中でも、更に炭化物を細かくし、他の粉末ハイス鋼と比べて、切れ味が非常に良く、炭素鋼と同じような切れ味を発揮します。

また、HRCは65程度と非常に高い硬度を持っています。他の鋼材と比較してもとても高い硬度と言えます。

長時間使っても研ぎやすい特性

切れ味が良い包丁とは、炭化物が硬いので、切れ味がよく、その切れ味の持続性も良くなります。しかし、今回ご紹介する新鋼材のSPG STRIXは炭化物を硬くすることに重きを置いたのではなく、「素地(ソジ)」と呼ばれる鉄の部分に着目し、その部分を硬くすることで、抜群の切れ味を出しています。

つまり、炭化物そのものを硬くしているわけではないので、包丁研ぎをしても硬い炭化物を削る訳では無いので、砥ぎやすいということができます。包丁の切れ味を持続させるには、研ぎなどのメンテナンスが欠かせません。切れ味が良くて研ぎがしやすいというのは大きなメリットです。

そして、素地が硬いので、刃先を薄く鋭くすることが可能です。普通の鋼材だと、炭化物が硬くても素地が硬いわけではないので、薄く砥ぐと刃先が「破れる」という現象がおき、鋭い刃をキープしづらくなってしまいます。しかし、SPG STRIXは、その薄くて通常はもろくなってしまう刃を硬い素地でキープすることが可能になります。

錆びにくさと耐久性の高さ

SPG STRIXは非常に錆びにくく、切れ味や研ぎやすさを保ちながらも耐食性が高い鋼材です。通常のステンレス鋼と比べても、その耐食性の高さは特筆すべき点です。

通常、切れ味を良くしようとすると、耐食性は下がってしまうものですが、新鋼材のSPG STRIXは緻密な計算により、切れ味・砥ぎやすさ・耐食性、全ての点において良い仕上がりになっています。

SPG STRIX包丁で試し切り

ここからは、SPG STRIXの全切包丁を使って、様々な食材を切って、切れ味を試してみようと思います。「全切包丁」とは實光オリジナルの呼び方で、万能タイプの包丁を指します。万能タイプという特性を活かして、魚や野菜など幅広く試し切りをしたので、解説します。

今回の【フレア】と言われる包丁は13000番の砥石で仕上げしている包丁です。その良い切れ味を感じていただけたらと思います。

紙を使った切れ味テスト

紙の筒
紙を使った切れ味テスト 紙の筒を使った切れ味テスト

まずは紙を使ってSPG STRIX包丁の切れ味をテストしました。非常にスムーズに切れ、抵抗感をほとんど感じませんでした。引っ掛かりを全く感じずにスッと切れてしまいます。

トマトやレタスなどの野菜を切ってみた結果

トマト デコポン レタス
トマトを使った切れ味テスト デコポンを使った切れ味テスト レタスを使った切れ味テスト

トマトの皮にも滑ることなく、スッと入る感覚でスムーズに切ることができました。デコポンも厚い皮も抵抗感なく切れました。柑橘系の物を炭素系の刃物で切ると、切っている間でもさびてしまったり、匂い移りがしたりなど、気になる人もいるかと思うのですが、SPG STRIXにはそのような心配が一切ありません。

レタスも全くつぶれることなくきれいに切れました。葉物はつぶれてしまうと苦みやえぐみが出てしまうことがあるのですが、このようにつぶれずに切れたら、美味しく食べることができます。

マグロや鯛などの魚を切ってみた結果

マグロ タイ
マグロを使った切れ味テスト タイを使った切れ味テスト

刺身を盛り付けした時の写真

マグロや鯛を切ってみましたが、これらの魚も非常に滑らかに切ることができました。包丁の鋭さが際立ちます。角が立った美しい刺身に仕上がりました。

ローストビーフやアボカドの種を切ってみた結果

ローストビーフ アボカド
ローストビーフを使った切れ味テスト アボカドを使った切れ味テスト

ローストビーフの盛り付けをした時の写真

ローストビーフは肉なので、かなり弾力があり切りにくい食材ですが、刃がスッと入って切りやすかったです。ストレスなく1回の引き切りで切れたので、切れ味の良さを実感できました。切った断面ととても美しく仕上がりました。

アボカドは硬い種の部分も一緒に切ることができ、スッと滑らかに切れました。

SPG STRIX包丁の研ぎ方

今回研ぐ包丁

SPG STRIXの包丁を1週間使ってみてから、研ぎ直しをしてみました。1週間使ってもそこまで切れ味が落ちることなく、まだ切れ味をキープすることができています。

1000番砥石を使った研ぎ方

1000番で研いでいる様子

ニッケルダマスカスの部分を砥いだ時(表) 芯材部分を砥いだ時(表)
ニッケルダマの部分を研いだ時 芯材部分を研いだ時

 

まず、SPG STRIX包丁の研ぎを始める際には、1000番の砥石を使用します。この砥石は、刃の形状を整え、細かな傷を取り除くのに適しています。最初に、包丁の刃を砥石の上に置き、適切な角度を保ちながら滑らかに動かします。今回は、ダマスカス模様があるニッケル部分から研ぎ始めました。この部分は他のニッケルダマスカス鋼と同様に研ぎやすいので、軽く研ぐだけで十分です。

次に、SPG STRIXの心材部分に移ります。この部分は、通常の鋼材よりも削りやすく、短時間で薄くなります。研ぐ際には、コバ(刃の角)が薄くなるように蛤刃(はまぐりば)を意識して研ぎます。1000番の砥石で研ぐと、削りやすさが際立ち、短時間で刃が整います。

印象としては、他のステンレス製の包丁や粉末ハイス鋼に比べて、かなり削りやすい印象です。あまり、滑った感覚が無く、砥石でしっかり削れていく感じがあります。

6000番仕上げ砥石での仕上げ方

6000番で仕上げた包丁(表) 6000番で仕上げた包丁(裏)
6000番をあてた後の包丁(表) 6000番をあてた後の包丁(裏)

続いて、仕上げ用の6000番砥石を使用して、刃をさらに鋭く仕上げます。この砥石は、包丁の切れ味を最大限に引き出すための重要なステップです。6000番の砥石は非常に細かい粒子を持ち、研磨剤が細かくなる分、鋼材の硬さによって滑りやすくなります。しかし、SPG STRIXの心材部分は滑らず、しっかりと研磨剤に食いついてくれるため、研ぎやすいです。

この砥石で刃先だけを重点的に研ぐことで、光沢が出てきます。軽く当てるだけでも、刃先が光り始め、滑らかな仕上がりになります。6000番の砥石で研ぐことで、目詰まりも起きにくく、長時間にわたって効果的に研ぎ続けることができます。

糸刃の仕上げと試し切り結果

最後に、糸刃をつけるために、さらに精密に研ぎます。糸刃をつけることで、包丁の切れ味が一段と向上します。6000番の仕上げ砥石を使い、刃先に細かい角度をつけながら慎重に研ぎます。この工程では、刃先が鋭くなり、ペーパータオルやコピー用紙を簡単にスパッと切ることができるようになります。

糸刃をつける際には、刃の両面を均等に研ぐことが重要です。これにより、刃先が均一に仕上がり、切れ味が長持ちします。最後にバリ取りを行い、余分な金属を取り除くことで、完璧な仕上がりとなります。

SPG STRIXは砥ぎやすい材質なので、中砥石の1000番から砥ぎ始めてもしっかり研ぐことができ、仕上げ砥石の6000番でもしっかりと砥げる感覚がありました。

SPG STRIX包丁は三拍子そろった最強の包丁

SPG STRIX包丁は、その切れ味、研ぎやすさ、そして耐食性の高さという三拍子がそろった、まさに最強の包丁です。卓越した切れ味を実現し、他の粉末ハイス鋼や炭素鋼と比較しても一線を画す性能を誇ります。

研ぎやすさも抜群で、1000番の中砥石でもしっかり研げる鋼材です。研ぎやすいことは、包丁を長く使い続ける上で非常に大きなメリットです。さらに、SPG STRIX包丁は非常に錆びにくく、耐久性も高い包丁です。これにより、日常のメンテナンスも楽になり、長期間にわたって優れたパフォーマンスを発揮します。

このように、SPG STRIX包丁はプロの料理人から家庭のキッチンまで、幅広いユーザーにとって理想的な選択肢です。一番切れる包丁をお探しの方、切れ味が良い包丁を求める方にとって、この包丁はまさに最強の一本と言えるでしょう。興味がある方は、ぜひその性能を体感してみてください。

【SPG STRIXの包丁を見る】

SPG STRIX包丁を動画で見る

實光刃物の研ぎ師RYOTAによる実演動画には国内・海外からもコメントが多く寄せられています。ぜひ記事と併せて御覧ください。

 

 

包丁の切れ味に関するQ&A

ここからは包丁の切れ味に関するよくある質問にお答えします。

Q: 一番切れ味の良い包丁は?

A: 一番切れ味の良い包丁は、鋼材や製造方法によって異なりますが、一般的に「白紙1号」や「白紙2号」などの高炭素鋼を使用した包丁が非常に鋭い切れ味を持っています。ステンレス系のさびにくい鋼材ではSPG STRIXと言われる新鋼材が、研ぎやすい鋼材で鋭い切れ味もった鋼材です。切れ味を追求したいが、さび付く包丁は使いにくいと感じている人に最適な切れ味が良い包丁です。

Q: 世界最強の包丁は何ですか?

A: 實光刃物の本刃付けをしている「刃Yaiba]シリーズは、最強の切れ味を持つ包丁です。本刃付けとは鋼材の切れ味を最大限高める刃付け方法でう、職人が手研ぎで行う刃付けです。最終仕上げには天然砥石を使用していますので、繊細な切れ味で独特の美しさを見せる仕上げになっています。

Q: 最も切れる刃物は何ですか?

A: 最も切れる刃物の1つしてあげられるのが、「本焼包丁」です。本焼包丁は和包丁の最高峰ともいわれ、料理人の憧れの包丁ともいわれています。本焼包丁は鍛接工程が無く、鋼一枚でできている包丁です。高硬度な刃物のため、切れ味が非常に長持ちすることが特徴です。

【本焼包丁について詳しく見る】

實光刃物 四代目:實光俊行(じっこう としゆき)

實光刃物 四代目:實光俊行(じっこう としゆき)
「實光刃物(じっこうはもの)」は大阪の堺で明治33年に創業し、包丁(刃物)の製造と販売をしています。一期一会の精神で、お客様との瞬間を大切に。切れ味へのこだわりを胸に、日々技術の向上に励んでいます。技術の継承と共に、将来は世界中で愛される堺包丁のブランドを築き上げる夢を抱いています。
詳しくはこちら

関連記事