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包丁が砥げない!研いでも切れない原因を徹底解説

包丁を一生懸命研いでも切れない、研ぎ方が合っているか不安…そんな悩みを抱えていませんか?包丁が切れ味を失う原因は、正しい研ぎ方やメンテナンスが行われていないことが多いからです。実際に、包丁の形や素材、砥石のメンテナンスを理解することで、切れ味を劇的に改善することができます。

本記事では、包丁が砥げない原因とその解決策を徹底解説します。包丁の形に応じた適切な研ぎ方、砥石のメンテナンスの重要性、そして研ぐ時間のポイントについて包丁のプロ實光刃物が詳しく説明します。この記事では、両刃包丁・片刃包丁の研ぎ方についても動画とあわせて解説します。研ぎ方のポイントを掴み、いつも使用している包丁をより快適に使えるようになります。ぜひ最後までお読みください。

包丁研ぎの包丁の向き両刃表面

包丁がうまく砥げない理由はさまざまですが、その原因を理解することで、解決策を見つけることができます。ここでは、主な原因として「包丁の形を理解していない」「砥石のメンテナンスをしていない」「研ぐ時間が短すぎる」の3つを挙げ、それぞれについて詳しく解説します。

包丁の形を理解していない

包丁には「両刃包丁」と「片刃包丁」の2種類があり、それぞれに合った研ぎ方が必要です。形を理解せずに研ぐと、包丁の刃がうまくつかず、切れ味が悪くなります。

砥石のメンテナンスをしていない

砥石もメンテナンスが必要です。使用するうちに平らでなくなり、これが原因で包丁の切れ味が悪くなります。定期的に砥石を修正することが重要です。

研ぐ時間が短すぎる

包丁を研ぐ時間が短すぎると、刃がしっかりと研げません。時間をかけて丁寧に研ぐことで、包丁の切れ味を保つことができます。

ここからはこれらのポイントについて詳しく解説します。

包丁の形の違いを理解しよう

両刃と片刃の構造の違い

包丁の形を理解することは、正しい研ぎ方を実践するための第一歩です。包丁には大きく分けて「両刃包丁」と「片刃包丁」の2種類があり、それぞれ特徴と研ぎ方が異なります。ここでは、それぞれの包丁の特徴と適切な研ぎ方について詳しく解説します。

両刃包丁の特徴

両刃包丁(表) 両刃包丁(裏)
【青二】牛刀包丁 【青二】牛刀包丁(裏)

両刃包丁は、左右対称の形をしているのが特徴です。洋包丁に多く見られ、一般的な三徳包丁や万能包丁がこのタイプに該当します。両刃包丁は刃の両面が同じ角度で削られており、左右対称に刃がついています。

このため、両刃包丁は両面を均等に研ぐ必要があります。研ぐ際には、両面の刃先を均等に砥ぐように注意しなければなりません。これにより、包丁の切れ味が保たれ、食材をスムーズに切ることができます。

片刃包丁の特徴

片刃包丁(表) 片刃包丁(裏)
白二出刃包丁 白二出刃包丁裏側

片刃包丁は、片面がフラットで、もう一方の面が刃になっているのが特徴です。和包丁に多く見られ、刺身包丁や出刃包丁がこのタイプに該当します。片刃包丁は、片面だけが鋭角に削られており、もう片方の面はほぼ平らか、わずかに凹んでいます。

このため、片刃包丁は片面をしっかりと研ぎ、もう一方の面はくぼみを保つようにあまりとが無いようにしなければなりません。片刃包丁のこの構造により、非常に鋭い刃先が得られ、繊細な作業が可能となります。

砥石のメンテナンスの重要性

實光砥石 中級者セット

砥石のメンテナンスは、包丁の切れ味を保つために欠かせない要素です。正しい研ぎ方を実践していても、砥石が適切にメンテナンスされていなければ、包丁の切れ味はすぐに悪くなります。ここでは、砥石の摩耗とその影響、そして砥石の平らを保つ方法について詳しく解説します。

砥石の摩耗とその影響

平らな砥石と平らでない砥石

砥石は使用するうちに摩耗し、次第に平らでなくなります。砥石が摩耗すると、包丁を研ぐ際に均等に刃が研げなくなり、刃先が丸くなってしまいます。この結果、包丁の切れ味が悪くなり、食材をうまく切ることができなくなります。特に、頻繁に包丁を研ぐ場合、砥石の摩耗は避けられないため、定期的なメンテナンスが必要です。

摩耗した砥石を使い続けると、包丁の刃が不均一に削られ、刃先が偏ってしまいます。これにより、包丁の切れ味が大幅に低下し、さらに研ぎ直すのが難しくなる場合があります。そのため、砥石の状態を常にチェックし、必要に応じて修正することが重要です。

砥石の平らを保つ方法

面直しの仕方

砥石の平らさを保つためには、専用の修正砥石を使うことが一般的です。修正砥石は、砥石の表面を平らに整えるための道具で、使用することで砥石の均一な平面を維持することができます。

修正砥石を使用する際は、砥石を水に浸し、修正砥石を砥石の表面に軽く当てながら、全体を均等に削るようにします。

修正砥石を使用して砥石を平らにする手順は以下の通りです:

1.砥石を水に十分浸します。

2.修正砥石を砥石の表面に当て、軽く前後に動かします。

3.砥石の表面が平らになったら、水で洗い流し、乾燥させます。

ダイヤシャープナー修正砥石 修正砥石#100(荒砥石用) 修正砥石#280(中・仕上げ砥石用)
ダイヤシャープナー砥石修正用中目 修正砥石100番 修正砥石280番

定期的にこのメンテナンスを行うことで、砥石の平面を維持し、包丁を均一に研ぐことができます。これにより、包丁の切れ味を長く保つことができ、効率的な調理が可能になります。

砥石のメンテナンスを怠らず、定期的にチェックして修正することで、常に最高の状態で包丁を研ぐことができ、結果として包丁の性能を最大限に引き出すことができます。

【實光刃物の砥石一覧を見る】

包丁を研ぐ時間の目安

包丁を研ぐ時間は、その切れ味を保つために非常に重要です。適切な時間をかけて研ぐことで、包丁の刃がしっかりと整えられ、料理の効率が向上します。ここでは、プロと一般人の研ぎ時間の違い、両刃包丁の研ぎ方、片刃包丁の研ぎ方について詳しく解説します。

プロと一般人の研ぎ時間の違い

プロの料理人は毎日包丁を使い、頻繁に研ぐため、研ぎ時間が比較的短くても問題ありません。一般的には、プロの料理人は5分から10分程度で包丁を研ぐことが多いです。一方、一般の家庭ではあまり頻繁に包丁研ぎをしないため、包丁研ぎをする時は時間をかけてしっかりと研ぐ必要があります。

包丁を月に1回程度しか研がない場合、包丁の刃先が鈍っていることが多く、しっかりと時間をかけて研ぐ必要があります。包丁研ぎに慣れている人でも15分以上、あまり慣れていない人は1時間ほどかかることを覚悟しておきましょう。しかし、時間をかけて丁寧に研ぐことで、包丁が良い切れ味に仕上がり、結果として料理がしやすくなります。

両刃包丁の研ぎ方

牛刀・三徳包丁などの万能タイプの両刃包丁の研ぎ方を解説します。動画での解説もありますので、実際に研ぎをする時は動画と合わせてご確認ください。

準備物

・中砥石(No.1000)
・仕上砥石
・修正砥石(面直し砥石)
・タオル
・砥石台(あると便利)

手順 説明
1. 砥石の準備 中砥石を5〜10分間水に浸けておきます。砥石の表面をツラ直しで平らにし、砥石を少し手前が高くなるように設置します(タオルを使って角度をつけることも可能)。
2. 包丁の持ち方 中指、薬指、小指で柄を持ち、人差し指は包丁の背に、親指は刃元(アゴ)に添えます。両刃の包丁なので、表面を右手で、裏面を左手で研ぎます。
3. 研ぎの角度 包丁を砥石に対して45度の角度で構えます。包丁の斜面(鋼と地金の境目)をしっかりと砥石に当てる。
4. 研ぎの動作 砥石に包丁を当てて前後に動かします。押すときに力を入れ、引くときは力を抜きます。研ぎ始めは包丁の顎(根元)から始めるのが安定します。
5. かえりの確認 研いだ部分の反対側に「かえり」ができるまで研ぎます。親指で刃を平行に触り、かえりの引っ掛かりを確認します。
6. 裏面の研ぎ 同じ手順で包丁の裏面を研ぎます。右手で持ち、左手で斜面を押さえます。
7. 仕上げ砥石での研ぎ 中砥石での研ぎが終わったら、仕上げ砥石で同じ手順を繰り返します。刃先に糸刃をつけるため、角度を15〜20度に調整し、軽く研ぎます。
8. バリ取り 最後に新聞紙を丸めて包丁の刃に軽く当て、左右に擦り付けることでバリを取ります。

動画内で使用した砥石など

中砥石 仕上げ砥石(天然砥石) 修正砥石(ダイヤシャープナー) 砥石台
スタンダード砥石1000番中砥石 天然砥石丸尾山白巣板 ダイヤシャープナー砥石修正用中目 砥石台

両刃包丁の研ぎのポイント

砥石の表面を平らにすることで包丁が歪むのを防ぎます。包丁を砥石に対して45度の角度で置き、斜面をしっかりと砥石に当てることが重要です。表面を研ぐときは右手で包丁を持ち、裏面を研ぐときは左手で持ちます。

両面を均等に研ぐために、押すときに力をかけ、引くときは力を抜いて研ぎます。包丁の上、中、下の部分をそれぞれ同じ回数研ぎ、かえりが確認できるまで続けます。仕上げ砥石で刃を仕上げ、最後にバリ取りを行うことで、美しい仕上がりと切れ味を実現することができます。

片刃包丁の研ぎ方

ここからは、片刃包丁の研ぎ方を解説します。下記は出刃包丁の研ぎ方の解説動画ですので、あわせてご覧ください。

準備物

・中砥石(No.1000)
・仕上砥石(No.6000)
・砥石の面を平らにするための修正砥石

手順 説明
1. 砥石の準備 中砥石(No.1000)を水に浸け、泡が出なくなるまで待つ。砥石の表面を平らにするために修正砥石か荒砥石でこする。角を削って安全にする。
2. 包丁の持ち方 中指、薬指、小指でハンドルを持ち、人差し指を包丁の背に当て、親指で刃元(アゴ)を抑える。
3. 包丁の角度 砥石に対して包丁を45度の角度で置く。斜面になっている面をしっかりと砥石にくっつける。
4. 研ぎの動作 包丁の先から研ぎ始める。左手を包丁の裏側に置き、右手で少し持ち上げる。押すときに力をかけ、引くときは力を抜く。
5. 均等に研ぐ 包丁の上、中、下の部分をそれぞれ20回ずつ研ぐ。
6. 研ぎ終わりの確認 反対側に「かえり」(研いだ後のエッジ)ができているか確認。かえりが出ていない部分があれば、その部分を再度研ぐ。全体的にかえりが出たら、中砥石での研ぎは終了。
7. 仕上砥石での研ぎ 同じ手順で仕上砥石(No.6000)を使用。仕上砥石では、かえりを取り、刃を仕上げる。

動画で使用した砥石など

中砥石(セラミック砥石1000番) 仕上げ砥石(セラミック砥石6000番) 修正砥石(#280)
セラミック砥石1000番中砥石l セラミック砥石6000番仕上げ砥石 修正砥石280番

片刃包丁の研ぎのポイント

砥石の表面を平らにすることで包丁の歪みを防ぎます。包丁を砥石に対して30度から45度の角度で置き、斜面をしっかりと砥石に当てることが重要です。片刃包丁の場合、裏面をたくさん研いでしまうと裏すきが広がってしまうため、表面をしっかりと研ぎ、裏は数回程度にしましょう。

左手を包丁の斜面に置き、押すときに力をかけ、引くときは力を抜いて研ぐ必要があります。均等に研ぐために、包丁の上、中、下の部分をそれぞれ同じ回数研ぎます。かえりが確認できるまで研ぎ続け、最後に仕上げ砥石で刃を仕上げ、かえりを取り除くことで、家庭用の出刃包丁を効果的に研ぐことができます。

刺身包丁の研ぎ方

包丁研ぎ初心者が知っておくべきポイントとよくある質問

包丁研ぎは初心者にとって難しく感じるかもしれませんが、基本的なポイントを押さえることで、誰でも上手に研ぐことができます。ここでは、包丁の材質による砥ぎやすさの違い、初心者が気を付ける点、そしてよくある質問について解説します。

包丁の材質による砥ぎやすさの違い

包丁の材質によって、砥ぎやすさが異なります。一般的に、炭素鋼包丁(ハガネ系)はステンレス包丁よりも砥ぎやすいとされています。

炭素鋼包丁はステンレスに比べて柔らかいため、比較的短時間で鋭い刃を付けることが可能です。一方、ステンレス包丁は砥ぐのに時間がかかりますが、錆びにくく、手入れが容易です。

包丁研ぎ初心者が気を付ける点

初心者が包丁を研ぐ際には、以下の点に注意することが大切です:

1.研ぎ角度の維持:包丁を研ぐ際の角度を一定に保つことが重要です。両刃包丁は15度、片刃包丁は10度程度が目安です。

2.均等な力加減:研ぐ際には、均等な力で包丁を砥石に当てるよう心がけましょう。
刃の背に向かって動かすときに力を入れ、切り刃側に動かすときは力を抜くようにしてください。

3.適切な研ぎ時間:時間をかけて丁寧に研ぐことが大切です。急いで研ぐと、十分に砥げていない場合があるので、砥ぎ終わってもまだ切れる状態になっていないことがあります。

研ぎについてよくある質問

Q: 包丁研ぎでカエリが出ない場合の問題点

A: カエリとは包丁を研いだ時に裏面に出る金属の破片のようなものです。カエリを確認することで、砥げている場所の確認になりますが、カエリが出ない場合、研ぎ方が不十分である可能性があります。砥石に対して適切な角度と力で包丁を当てているか確認しましょう。カエリが出ないと刃が鋭くならず、切れ味が良くなりません。

Q: 包丁を研ぎすぎることはあるのか?

A: はい、包丁を研ぎすぎると刃が薄くなり、欠けやすくなります。薄くなりすぎてしまった包丁はなかなか家庭で修正することが難しいため、プロのメンテナンスをおすすめします。

Q: ステンレスの包丁は砥げない?

A:ステンレス包丁は砥ぐのに時間がかかるだけで、砥げないわけではありません。硬い素材のため、時間をかけて丁寧に研ぐことが必要です。昔は品質の悪い安価なステンレスの包丁があり、「砥いでも切れ味が良くならない」と言われていましたが、今は包丁に使われているステンレスは高品質のものがほとんどです。きちんと砥げれば切れ味が復活します。

Q: 砥がなくてもいい包丁はある?

A: 完全に砥がなくていい包丁は存在しません。包丁は切れ味を保つためには必ず研ぎ直しをして、刃先を鋭くする必要があります。ただ、鋼材によっては硬く鋭い切れ味を長時間キープすることができる鋼材があるため、他の鋼材に比べて砥ぐ頻度は少なく済みます。

Q: 研ぐ必要のない包丁はありますか?

A: 研ぐ必要のない包丁は存在しません。どんな包丁でも、使用しているうちに切れ味は徐々に落ちていくため、定期的に研ぐことが必要です。ただし、硬度が高く、品質の良い包丁を選ぶことで、研ぐ頻度を大幅に減らすことができます。特に、高硬度のステンレス鋼や炭素鋼を使用した包丁は、耐久性が高く、長期間鋭い切れ味を保つことが可能です。また、正しい使い方と適切なメンテナンスを行うことで、包丁の切れ味を長持ちさせることができ、研ぐ頻度を少なくすることができます。それでも、定期的な研ぎは包丁の性能を維持するために欠かせない作業です。

Q: ステンレス包丁は研げますか?

A: ステンレス包丁は研ぐことが可能です。一般的なステンレス包丁であれば、通常の砥石を使用して研ぐことができます。基本的な研ぎ方を守れば、ステンレス包丁も鋭い切れ味を保てます。ただし、高硬度のステンレス製包丁は研ぎにくい場合があり、研ぐのに時間がかかることもあります。十分に研ぎを行わないと、切れ味が完全に戻らず、研げないと感じることもあるかもしれません。こうした場合には、根気よく時間をかけて研ぐことが重要です。

包丁研ぎの極意を身につけて料理を楽しもう!

包丁研ぎ2

包丁の切れ味は、料理の楽しさや効率に大きく影響します。本記事でご紹介したように、包丁の形や素材を理解し、正しい研ぎ方とメンテナンスを実践することで、包丁の切れ味を劇的に改善することができます。包丁を研ぐ時間をしっかりと確保し、適切な方法で研ぐことで、その効果を最大限に引き出すことができます。

美しく美味しい料理を作るためには、使いやすく切れ味が良い包丁が必要です。正しいメンテナンスを知り、包丁研ぎを適切に行えるようになれば、楽しく料理ができるようになりますよ。

【實光刃物の包丁一覧を見る】

包丁が砥げない理由を動画で見ることもできます。よろしければご覧ください

實光刃物 四代目:實光俊行(じっこう としゆき)

實光刃物 四代目:實光俊行(じっこう としゆき)
「實光刃物(じっこうはもの)」は大阪の堺で明治33年に創業し、包丁(刃物)の製造と販売をしています。一期一会の精神で、お客様との瞬間を大切に。切れ味へのこだわりを胸に、日々技術の向上に励んでいます。技術の継承と共に、将来は世界中で愛される堺包丁のブランドを築き上げる夢を抱いています。
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