8月15日 お盆(月遅れ)
月遅れのお盆とは、新暦の8月15日の事です。旧盆とも言います。正式には盂蘭盆会(うらぼんえ)といい、祖先を祀る行事です。
お盆の時期は複雑で、日本のお盆は旧暦7月15日に行われてきましたが、明治時代に旧暦が廃止され、新暦が採用され、その後、統一されず、地方により時期が異なるお盆が行われるようになりました。
全国的には、月遅れのお盆が多いのは、明治時代に旧暦盆の廃止の勧告があったためで、伝統的だった旧暦7月15日のお盆は少なくなりました。
8月にお盆が多いことの理由は、農作業の関連や、お盆の習慣である祖霊に季節の初物をお供えするという習慣も関係しています。
新暦のお盆(現在の7月15日)では、初物のお供え、農作業の作業日程にも、色々不都合が生じてしまいます。
月遅れの8月のお盆は、その様な意味合いからも好都合なので、全国的に普及していったと言われています。
お盆の精進料理
お盆の間は1日3回精進料理を添え、家族を同じものをいただきます。精進とは、仏の教えによって、仏道修行に努めることです。
肉類などの美食を避け、野菜・山菜・穀物などを中心にした粗食を食することも修行のひとつだと考えられており、殺生をせずに心身を清める、という意味もあります。
仏教では、命のあるものを殺すこと(殺生)をしてはならない為に、肉や魚を食べず、野菜や大豆、海藻など植物性の食材を使った料理になります。だしもかつおやにぼしを使用せず、昆布や椎茸を使います。
精進料理の調理法は五味(甘い、辛い、酸っぱい、苦い、塩辛い味)・五色(赤、白、緑、黄、黒のこと)・五法(生、煮る、焼く、揚げる、蒸らす)と決まりがあります。お盆にいただく精進料理は二汁五菜です。
また、精進を終えた後に食べる食事の事を「精進落とし」「精進明け」といいます。精進料理は仏教が、大陸から伝来した538年ごろから存在したと言われます。
お盆の精進料理は、「精霊が馬に乗り、牛には荷物をのせて楽に帰れるように」という意味が込められ、キュウリやナスに楊枝や割り箸をさして精霊馬を作ります。キュウリは馬の例えで、お盆の時に少しでも迎えられるようにとの願い表現し、ナスは牛を表現し、お盆が終わって帰る時はゆっくりとのんびりとの願いが込められています。
白玉団子・そうめん・型菓子について
白玉団子は、浄土へのおみやげとしてお団子を15個きな粉をまぶし飾ります。または、先祖さまの好きだったものを飾ります。
そうめんは15日のお昼に供えます。そうめんを供える意味は、仏様が帰る時に、荷物を背負う紐になる、荷綱や手綱になる、喜びを細く長くと縁起を担いだものである、七夕のそうめんの供物の習慣がお盆に引き継がれたものです。
型菓子とは、もち米を炒って粉にしたものを木型に詰めて抜く菓子のことで、蓮、菊、末広などの形があります。