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出刃包丁の特徴を解説:實光の出刃包丁で料理の可能性が広がる

出刃包丁は、特に魚料理に従事する料理人にとって不可欠な包丁です。その刃の幅は他の包丁と比較して分厚く、頑丈であり、これにより魚の頭を落としたり、魚の骨をまだらのまま切断するなど、精密な作業が可能となります。

この包丁の由来は、實光刃物が誇る大阪堺発祥の包丁であり、興味深いことに、出刃包丁の名前は鍛冶職人が出っ歯だったことに由来します。出歯包丁から出刃包丁に進化したと言われる、まさにうそみたいな本当の話です。

この記事では、出刃包丁の特長や選び方、適切なメンテナンス方法などを詳しく解説いたします。出刃包丁の選び方においては、魚の種類やお手入れなどのことも考え、鋼材やサイズを検討する必要があります。さらに、實光刃物から提案されるおすすめの出刃包丁も紹介し、その切れ味の優れた性能を堪能できることでしょう。包丁専門店の實光刃物で、使い勝手に優れた出刃包丁を手に入れて、料理の幅を広げてみてください。

實光刃物がある大阪堺市の堺刃物は、片刃包丁で有名な刃物の産地です。その中でも出刃包丁は大阪発祥の包丁で、和食料理人の90%以上が堺刃物の出刃包丁を使っているとも言われる、いわば最強の包丁です丁寧に研ぎ直して使えば、一生ものまではいかないまでも、長い方で30年以上も愛用される方もいらっしゃいます。

ここからは、出刃包丁の特徴とあなた合った出刃包丁のサイズについて解説します。

切れ味と形状が重要なポイント

出刃包丁は、魚を捌くのに適した片刃包丁で、しのぎや裏すきが特徴的です。片刃の利点は、魚の身や肉に鋭く入り、角度があるため魚の骨に沿って滑らかに包丁を操れることです。包丁の裏側にある「裏すき」は、身がくっつきにくく、食材の切離れを向上させます。

包丁の部位イラスト

通常、出刃包丁や刺身包丁などの片刃包丁は右利き用になりますが、實光刃物では、左利きの方向けの出刃包丁も取り揃えておりますのでご安心下さい。

刃渡りやサイズの選び方

魚の捌き方において、包丁を無駄に動かすと身が乱れ、キレイな切り身が難しくなるだけでなく、食材の風味も損なわれることがあります。この問題を避けるためには、魚の大きさに適した出刃包丁を使用する必要があります。

出刃包丁のサイズの選び方、魚の縦幅と刃渡りが同等なのがベストサイズ

出刃包丁の選定において、サイズは魚の縦幅に合わせるのが理想的です。短い包丁を用いると何度も動かさないと切れないため、身が乱れやすくなります。魚の縦幅と同じ刃渡りにすることで、包丁を45度の角度で入れた際に中骨に当たり、骨に沿って綺麗に切り分けることができます。

魚の大きさに合わせた適切なサイズの包丁を用いれば、より綺麗かつ効率的に魚を捌くことが可能です。初めての出刃包丁購入では、あまり大きなものは重くて扱いづらいかもしれませんので、刃渡り150~180mm程度のサイズがお勧めです。

刃物の部位や厚みに注目した使い勝手の良さ

・ 片刃の鋭い切れ味
・ 刃が厚く耐久性が高い
・ 刃渡りが豊富に選べる

出刃包丁のメリットは、まず片刃の特性にあります。片刃包丁は刃先が鋭く尖っており、これが魚の身に効果的に食い込み、スムーズな捌き作業を可能にします。次に、刃が厚く耐久性が高い点が挙げられます。この包丁は厚みがあり、硬い食材を切っても欠けにくく、折れにくい頑丈な性質を持っています。普段使いの包丁との使い分けにより、包丁へのダメージが軽減され、長寿命で使えることが期待されます。

さらに、刃渡りの豊富な選択肢もメリットの一つです。使いたい用途や好みに合わせて刃渡りを選ぶことができ、より効率的な調理作業が可能となります。出刃包丁は魚だけでなく、肉や硬い野菜なども切ることができ、家庭用としても非常に便利です。その優れた機能性と汎用性により、様々な調理場面で活躍します。

出刃包丁の素材とメンテナンス方法

出刃包丁には一般的に、サビやすい材質の炭素鋼が使用されます。これは、ハガネが卓越した切れ味を提供し、特に魚を処理する際には切れ味が不可欠であるためです。

しかし、「出刃包丁はすぐにサビてしまう」というメンテナンス上の課題に直面する人が少なくありません。そこで、正しいお手入れ方法やメンテナンスの手順について解説します。これにより、お困りを解決するヒントが得られるでしょう。

出刃包丁に使われる鋼材

出刃包丁に使用される鋼材は、「炭素鋼」や「合金鋼」があり、これらは切れ味に優れる特性を持っています。包丁の切れ味は、料理の使い勝手や食材の切りやすさに直結するため、特に繊細な魚を調理する際にはその重要性が際立ちます。ただし、「炭素鋼」や「合金鋼」はさびやすいという特性があり、これを防ぐためには使用後にすぐに丁寧に洗浄し、水分を十分に拭き取り、最後には油を塗って保管することが必要です。

一方で、さびにくい材質の出刃包丁もあります。例えば、實光刃物では「銀3鋼」の出刃包丁を提供しています。この鋼材は耐さび性に優れているだけでなく、硬度が高く切れ味が持続する特徴があります。一般的な誤解として、ステンレス包丁は切れないと考える方もいますが、適切な硬度のステンレスを選択すれば、優れた切れ味の包丁を手に入れることができます。

さびやすい鋼材・さびにくい鋼材の鋼材表

【炭素鋼・合金鋼について詳しく見る

ステンレス製の出刃包丁の有用性

ステンレス鋼のメリットは、さびにくいことです。そのため、包丁使用後のお手入れの時間が短縮でき、サビを心配することが減ります。

また、舟の上やアウトドアで使う包丁は、すぐに洗うことが難しかったり、保管している間にサビてしまったりするので、手入れに時間のかからないステンレスの出刃包丁が重宝します。

【ステンレスについて詳しく見る】

出刃包丁のメンテナンス方法

出刃包丁のメンテナンスについて考えるべき3つのポイント
・ 包丁を洗った後の水分のふき取り方
・ 保管する時の方法
・ 研ぎ方

・包丁を洗った後の水分のふき取り方

包丁を洗った後、布巾で水分をキレイにふき取っても、時折水分がハガネの内部に残ったり、十分にふき取れなかったりすることがあります。従って、洗い終わった後には、熱湯を刀身にかけて水分を蒸発させると、キレイに水分を拭き取ることができます。

・保管する時の方法

包丁を保管する際、水分を十分にふき取っていても、湿気などの影響でサビが発生する可能性があります。そのため、保管前には錆止めとして薄く油を塗布しましょう。キッチンペーパーやティッシュに2〜3滴の油を垂らし、丁寧に刀身全体に均等に塗ることで、薄くきれいな油膜を形成できます。

・砥ぎ方

出刃包丁は片刃包丁であり、しのぎに合わせて切り刃をしっかりと研ぐことが重要です。裏面は軽く数回程度の研ぎで十分です。

包丁を砥ぐ際には、砥ぎたい場所に指を置き、ゆっくりと指を上部へ進めながら切っ先まで砥ぐようにします。特定の箇所だけを研ぐと歪みの原因となりますので、一部だけを研ぐのは避けましょう。

通常の砥ぎ作業では中砥石と仕上げ砥石を使用し、欠けが生じた場合は荒砥石で修復し、その後中砥石と仕上げ砥石で仕上げると良いでしょう。

出刃包丁研ぎ方を動画で見る】

實光の出刃包丁ランキングとおすすめ商品

ここからは、刃物の産地として有名な大阪堺で120年の歴史を誇る包丁専門店、實光刃物がおすすめの出刃包丁をご紹介いたします。

人気の高級出刃包丁の特長

出刃包丁について語る際、一般的には昔ながらの和包丁を思い浮かべることが一般的ですが、實光刃物はデザインにおいて特にこだわりのある出刃包丁を提供しています。

【銀座】切付出刃

銀座出刃切付

シックな印象の黒い刀身と、高級木材の黒檀を使用したハンドルが特徴の出刃包丁です。全体を引き締まるクールな黒で統一されており、切っ先が切り付けデザインになっています。これにより、従来の出刃包丁の重厚な雰囲気を一新しました。

 

【至光(しこう) 】切付出刃

至光出刃切付

至光出刃切付

スッキリとした切り付けデザインの切っ先と、水牛の優雅な色調と重厚な黒檀柄に銀巻きが施された高級感あふれるハンドルが特長の出刃包丁です。刺身包丁とのセット購入も多く、その美しさは見るだけでも魅了されます。

 

【祇園】 切付出刃包丁

祇園青鋼切付出刃包丁

祇園青鋼切付出刃包丁

全体が白っぽく見える繊細な美しさを備えた包丁です。ハンドルは純白で、レジン素材の採用により汚れにくく、長く美しい白さが続きます。通常、出刃包丁はその重厚な印象が一般的ですが、この包丁は凛とした美しさを感じさせるデザインとなっています。

家庭向けのリーズナブルな出刃包丁

實光刃物は家庭用として使いやすく、リーズナブルな出刃包丁もたくさん取り扱いしております。魚料理に挑戦したい料理初心者の方やたまに魚をさばくときに使いたいという方におすすめです。

【白三】出刃

白三出刃包丁

白三出刃包丁

白紙3号の包丁は、鋼材が硬すぎず、研ぎやすい特徴があります。そのため、研ぎの技術をこれから学びたいという方にも使いやすい包丁と言えます。一般的な家庭用のサイズは150~180mmで、中でも150mmサイズは2万円以下で購入でき、手軽に本格的な包丁を手に入れることができます。

 

[上] 当店人気のさばけるセット

上] 当店人気のさばけるセット

【上】 当店人気のさばけるセット

「さばけるセット」は、魚を三枚おろしにするのに適した出刃包丁と刺身を切るのに最適な刺身包丁のお得なセットです。この人気のセットは、2本揃って3万円以下で手に入ります。サイズは家庭用でもっとも使いやすい出刃包丁150mmと刺身包丁240mmです。

魚の処理に便利なウロコ取りや骨抜きもセットに含まれており、さらにはメンテナンス用のさび取り消しゴムも付属しています。魚を捌く際にはこのセットがあれば、安心して作業に取り組むことができます。

出刃包丁の正しい使い方と他の包丁の違い

よく「出刃包丁と和包丁の違いはなんですか?」とお客様からご質問をいただくのですが、出刃包丁は和包丁の中でも刃厚がとても厚く、刃幅の広いため手に持った時にずっしりとした重さが特徴です。

その形状は、硬い骨を切断する際に必要な頑丈な刀身が求められるからです。この包丁は、魚の頭や大きな魚を処理する際に特に重宝されます。

出刃包丁の正しい使い方

出刃包丁で魚をさばく

出刃包丁は両刃の包丁とは異なり、まっすぐおろして垂直に切ることには向いていません。片刃のため、左に傾いてしまいます。ただし、魚を三枚おろしにする際は、背骨に沿って包丁を動かすと、背骨側に包丁が逃げない形状になっているため、魚を綺麗に捌くことができます。

また、魚の骨を切る際など、硬いものを切る場合には、三徳包丁などを使用すると刃が欠ける危険性があります。そのため、刃に厚みがある出刃包丁を使用することをお勧めします。これにより、力強く切ることができ、安全かつ効果的に調理作業を行うことができます。

出刃包丁と刺身包丁の使いわけ

出刃包丁 硬いものを切ることにできしている包丁
刺身包丁 刺身を切ることに特化した包丁

出刃包丁は、主に魚の処理に用いられ、包丁のアゴを使って魚の頭を落とし、内臓を取り除き、三枚おろしにする作業に適しています。この段階で魚の身が取り出された後、刺身包丁が活躍します。刺身包丁は、その長い刀身を生かして、1回の引き切りで綺麗な刺身を得ることができるように設計されています。

この流れにより、出刃包丁と刺身包丁は連携して魚の処理をスムーズに進めることができます。出刃包丁が頑丈で力強く使われ、魚を三枚おろしにし、その後刺身包丁が洗練された技巧で刺身に仕上げます。両者が協力することで、素早く、かつ綺麗な仕上がりの魚料理を作り上げることができます。

出刃包丁とその他の包丁の違い

 

出刃包丁 片刃 ・骨に合わせて一方方向に切ることに向いている形状
・刃が分厚くて丈夫
牛刀・三徳包丁 両刃 ・垂直にまな板に下ろしてまっすぐ切ることができる形状
・刃が薄く硬いものを切ると欠けてしまう

牛刀や三徳包丁で魚を捌く方もいらっしゃいますが、その刀身の厚みが薄いため、骨など硬い部分に当たると包丁が欠ける可能性があります。そのため、安全性を考慮すると、出刃包丁の使用をお勧めします。

また、両刃の包丁は左右双方に刃がありますので、魚を捌く際に横方向に包丁を動かすと、骨側にも包丁が傾いてしまうことがあります。対照的に、片刃の出刃包丁は骨に沿って包丁を動かすだけで、一方向にしか切れないのでまっすぐ包丁を動かしやすい形状になっています。

これらの理由から、両刃包丁よりも出刃包丁を使用する方が、安全で使いやすく魚を捌くのに適していると言えます。

出刃包丁のサイズや用途に合わせた種類

実際には、出刃包丁にも様々な種類が存在します。以下に、魚の大きさや処理の目的に応じた出刃包丁の主な種類を紹介いたします。これらの種類は、使い勝手や包丁のサイズや重さが異なります。魚の種類や処理する作業によって最適な出刃包丁を選ぶことが重要です。

【見卸包丁】

見卸包丁

見卸包丁

出刃包丁と刺身包丁の両方の役割をする包丁です。出刃包丁よりも薄く、刺身を切るために長めの形状をしています。

 

【アジ切】

アジ切

アジ切

アジなどの小魚をさばくときに使う包丁です。出刃に比べて刃が薄いのが特徴です。

 

【貝裂】

貝裂

貝裂

アジ切よりも更に小さい魚をさばくときに使う包丁です。

 

【舟行】

舟行

舟行

出刃包丁と刺身包丁の役割をする包丁で、漁師が舟で使っていた包丁と言われています。通常の出刃包丁の形に近いですが、刃が薄いのが特徴です。

 

【小出刃】

小出刃

小出刃

出刃包丁の105、120、135mmの包丁を小出刃とよびます。小さめの出刃包丁です。

出刃包丁の選び方を詳しく知りたいという方のために、【出刃包丁の選び方】を解説しています。重ねてご覧ください。

【出刃包丁の選び方を詳しく見る】

 

出刃包丁に関するQ&A

ここからは出刃包丁に関する質問にお答えしていきます。

Q:出刃包丁って何の料理で使うの?

A:出刃包丁は、魚を捌くために特化した日本の包丁です。特に、魚の三枚おろし、あるいは骨を切り分ける作業に適しています。その厚みと強度は、魚の頭を切り落としたり、骨を扱ったりする際にも役立ちます。主に和食で用いられるこの包丁は、精密な魚の捌き方を要求される料理に最適です。

Q:出刃包丁で切れるものは?

A:出刃包丁は、特に魚の三枚おろしや骨切り、魚の頭の切断など、魚を捌く作業に適しています。鱗の除去や内臓の取り出しにも使用され、その厚みと重さは魚を扱う際の強度と安定感を提供します。魚以外にも硬いものを切る時に使用することができます。例えばカボチャなどの硬い野菜を切る時は、万能タイプの両刃包丁より厚みがあり鋭い入れ味をもった片刃の出刃包丁が重宝します。

Q:小出刃と出刃の違いは?

A:小出刃包丁と出刃包丁の主な違いはサイズと用途にあります。出刃包丁は一般的に大きく、150mm以上の刃渡りを持つことが多く、その厚みと重量感が特徴です。このため、大型の魚をさばく際や骨の多い部分を切断するのに適しています。一方、小出刃包丁はより小型で、刃渡りが100mmから120mm程度と短く、軽量です。

このコンパクトさから、小型の魚や細かい作業に向いています。例えば、小魚の頭を落としたり、小骨を処理する際に便利です。また、小出刃包丁は取り扱いが容易で、細かい作業を正確に行うのに適しています。出刃包丁が大型の魚の解体や骨の切断に優れている一方、小出刃包丁は細かな作業や小型の魚の処理に特化しているため、用途に応じて使い分けることで、より効率的に調理を進めることができます。

Q:出刃と相出刃の違いは?

A:出刃包丁と相出刃包丁の違いは、主に刃の形状と用途にあります。出刃包丁は、厚く重い刃が特徴で、特に魚をさばくために設計されています。その重量と厚みが魚の骨を切断するのに適しており、大型の魚の頭を落としたり、骨を切り分ける際に力を発揮します。一方、相出刃包丁は出刃包丁に比べて刃が薄く、より軽量です。

この特徴により、魚の細かい作業や野菜のカットにも使いやすい包丁となっています。相出刃包丁は、出刃包丁の強度を保ちながらも、薄くて軽いことで取り扱いやすく、より繊細な作業にも対応できます。例えば、小型の魚をさばいたり、野菜を細かく切る場合には相出刃包丁が適しています。両者の違いを理解し、用途に応じて使い分けることで、調理作業を効率的に進めることができます。

出刃包丁で楽しむ、料理のプロフェッショナルな世界へ

和食の真髄は、食材の本来の味を最大限に引き出し、繊細な味わいを楽しむことにあります。このためには、食材の細胞を優しく扱い、身を綺麗に切り分けることが不可欠です。

魚を捌くとき、その重要な役割を果たすのが、切れる出刃包丁です。美しく料理を仕上げるためには、切れ味の鋭い包丁が欠かせません。

だからこそ、切れ味抜群の出刃包丁を手に入れ、料理の世界を広げてみてください。食材と共に踏み込むこの新しい世界で、あなたの料理の才能が一層輝きを放つことでしょう。

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「實光刃物(じっこうはもの)」は大阪の堺で明治33年に創業し、包丁(刃物)の製造と販売をしています。一期一会の精神で、お客様との瞬間を大切に。切れ味へのこだわりを胸に、日々技術の向上に励んでいます。技術の継承と共に、将来は世界中で愛される堺包丁のブランドを築き上げる夢を抱いています。
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